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★会社法による分類
会社法上、会社は4つに分類されます。今はもう設立することが出来ませんが、「有限会社」もかつて設立することが出来、今も存在しています。「有限会社」は、現在は「株式会社」として存続しており、一部の規定を除いて会社法の「株式会社」の規定に則っています。
※「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4つです。
「株式会社」…出資者(株主)の責任が「有限責任」
所有と経営が明確に分離されている
「合同会社」…出資者(社員)の責任が「有限責任」
出資者が経営を行う(一部の社員の経営権を制限することも出来る)
出資割合の変更(増資や持分譲渡)には他の社員の同意が必要
「合名会社」…出資者(社員)の責任が「無限責任」
出資者が経営を行う(一部の社員の経営権を制限することも出来る)
出資割合の変更(増資や持分譲渡)には他の社員の同意が必要
「合資会社」…出資者(社員)の中に「無限責任」社員と「有限責任」社員がいる
出資者が経営を行う(一部の社員の経営権を制限することも出来る)
出資割合の変更(増資や持分譲渡)には他の社員の同意が必要
設立目的によって、会社の種類を選択します。どの種類とするかによって、取引先の受けるイメージも変わります。
※「株式会社」の設立方法には「発起設立」と「募集設立」の2種類があります。
「募集設立」…株主とならない人も、出資する
中小企業の設立方法としては「発起設立」が主流です。
★株式公開・非公開による分類
「公開会社」… 株主が株式の譲渡を自由に行うことが出来る会社をいいます。公開会社だからといって、株式市場に上場されているとは限りません。
「非公開会社」… 株主による株式の譲渡を制限している会社をいいます。取締役会や株主総会の決議がなければ株式を譲渡することが出来ません。これは、経営権を第三者に奪われないようにするためで、非公開会社は中小企業に多い形態です。
★組み合わせは30種類以上もある
会社の機関には、@株主総会、A取締役、B取締役会、C監査役、D監査役会、会計参与、E会計監査人等があります。
これらをどう組み合わせるかが「機関設計」です。
どのようみ組み合わせるかは会社の自由です。
会社の機関を組み合わせると30種類以上にもなります。それだけ機関設計が柔軟になったということです。
非公開会社(株式譲渡制限会社)は、取締役1名から設立できます。監査役や取締役会の設置は任意です。役員の任期は最高10年間まで延長できます。
取締役会のない会社では、代表取締役は、株主総会で選任するか、定款の定めにより取締役の互選で選任します。また、重要な事柄は株主総会で決定します。
公開会社は必ず取締役会,及び監査役を設置しなければならず、取締役の員数は必ず3名以上必要です。取締役の任期は2年、監査役の任期は4年と決められており、短縮することは出来ますが、伸長することは出来ません。代表取締役は取締役会で選任し、重要な事項について、ある程度、取締役会で決めることが出来ます。定款の変更等、最重要事項については、取締役会のない会社と同様、株主総会で決定します。
★株主総会は会社の最高意思決定機関
会社を設立する時、資本金を払い込み、設立手続きを行うのが発起人です。会社設立後は、発起人は株主(オーナー)となります。
会社は、株主のために存在します。株主総会とは、その株主によって構成される会社の最高意思決定機関です。
株主総会では、「定款の変更」「取締役や監査役の選任、解任」「増資による資本金の変更」「会社の解散や組織変更」等の重要な事項を決議します。
★取締役は会社の経営者
株主総会で選任された取締役が会社を経営し、その執行状況を監査役が監査します。
事業運営に関する事柄は、取締役が決定します。
★資本金1円から会社を設立出来る
最低資本金制度がなくなったため、資本金1円でも株式会社を設立できます。だからといって、1円だけでは、会社を設立することは出来ません。会社を設立するためには、20〜30万円の設立費用がかかります。
資本金は、会社設立の際に払い込むことが必要です。登記簿に表示され、公示されることから、取引先や金融機関等が、会社の規模や信用度を判断するための材料となります。事業内容にもよりますが、100万円程度は準備しておきたいものです。
許認可事業を行う予定がある場合は、資本金の額を慎重に決めましょう。一定の資本金額があることが許認可の要件になっている場合があるからです。
資本金の金額によって税金等にどんな影響があるのでしょうか。
資本金が1億円以下の会社と1億円を超える会社には、法人税率、事業税率等の税率や、税計算の際の計算方法等さまざまな差が生じます。
★30万円程度を目安と考える
株式会社を設立するために必要な費用について理解しておきましょう。
設立後の会社経営の運転資金も考慮に入れて費用計画をたてましょう。
@ 定款作成費用
会社の設立には定款が必要です。定款原本には印紙を貼付しなければならず、印紙の額は4万円です。しかし、電子定款であれば印紙代はかかりません。Aで定款の認証を受ける際、電子定款認証を公証役場で依頼するには、電子署名が必要です。電子署名は一般個人で取得するのが面倒なため、司法書士に定款作成・定款認証を依頼するのが良いでしょう。
A 定款認証費用
設立時の定款は、公証役場での認証を受けなければなりません。定款認証費用は、謄本交付手数料等を含め、5〜6万円程度です。
B 資本金
最低資本金制度が廃止されたので1円以上で可能です。
しかし現実的には、資本金1円で設立した会社が、取引先の信用を受けられるはずがなく、最低でも10万円程度の資金を動かすことが必要となります。
C 登記申請
株式会社の登記申請には登録免許税がかかります。登録免許税は15万円です。
D 印鑑の作成費用
代表者印は必ず必要です。そのほか銀行印、角印を、設立時に用意します。
価格は、印鑑の素材や彫り方(機械彫り、手彫り等)によって異なります。1本6,000円〜3本セットで18,000円ぐらいからあります。ゴム印(横判と呼ばれるもの)までセットになっているものもあります。予算にあわせて購入しましょう。
D 登記事項証明書、印鑑証明書取得費用
登記事項証明書は1通600円、印鑑証明書は1通450円です。
★会社は、事業目的の範囲内で法人格を持っている
定款、及び会社の登記簿謄本には、事業目的を記載しなければなりません。「何をする会社なのか」という会社の事業目的を明瞭かつ具体的な表現で記載します。
抽象的、曖昧な表現は避けましょう。例えば、「困りごとを解決する事業」や「おもしろいことを考える事業」では何のことかイメージできません。
このような例では、「コンサルタント事業」「エンターテインメント事業の企画およびイベントの開催」というように、誰もが「その会社が何をしたいのかが具体的にイメージ出来るよう」記載します。
〜事業目的を策定する際のポイントをいくつかご紹介します〜
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将来行う予定の事業も記載しておく
事業目的には、設立後すぐに行う事業だけではなく、将来行う予定の事業についても記載しておくことが出来ます。後から目的を追加すると定款変更する必要があり、手間や費用がかかります。
かといって、あまり雑多に事業目的を並べてしまうと、何をしている会社なのか分かりにくくなり、逆に会社の印象が悪くなってしまうことがあります。取引先等が見た際に、会社内容がすぐに判断出来る表現が好ましいでしょう。
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将来を見据え、変化に対応出来る表現にする
また、事業目的欄の最後の行に「前各号に附帯関連する一切の事業」と入れておけば、さらに事業の範囲が広がります。
許認可や監督官庁への届けが必要な事業を行う場合は、定款及び登記簿謄本に記載が必要とされる文言が決まっていることがありますので、専門家に確認されることをおすすめします。
★取引先からの信用度アップ
当法人へ「会社設立」のご依頼を頂くお客様の「会社設立理由」の一番多いものが「得意先に提案されて」というものです。「個人事業主」として、事業を展開して来られた方が上記のような理由で法人成りするケースが目立ちます。
得意先企業、又は金融機関等にとって、取引先が「個人事業主」なのか「会社」なのかは大きな違いがあります。事業展開において、取引をする相手によっては「法人成り」する必要が出てくるでしょう。
「個人事業主」…公的機関で信用度を調査することが出来ません。財産状況についても公開されていません。
「会社」…登記事項証明書(個人にとっての住民票のようなもの)によって、会社の商号・本店所在地・事業目的・資本金・役員の情報等を知ることが出来ます。また、財産状況についても一年に一度計算書を作ることが義務づけられているため、まとめられています。
★税務面でのメリット
売上金額によっては、個人事業主よりも法人の方が税金が押さえられることがあります。また法人の税金計算では「役員報酬」や「経費の計上」といった部分で「個人事業主」とは異なる扱いが出来るため、財務面で大きくメリットを受けることが出来るケースもあります。
★スムーズな事業承継
事業主におきた突然の相続発生。事業をストップさせる訳にもいかず、また先代個人の技術や信用に頼っていたケースでは、事業を継続させることが困難になるケースもあります。
「会社」では、所有と経営が分離しており、経営者の一人に相続が発生しても、別の経営者を選任することで事業を継続することが出来、相続発生による事業中断の影響を最小限に抑える対策をすることも出来ます。また承継の際、税務面でのメリットを受けること出来るケースもあります。
★所有と経営の分離
「会社」では所有者(オーナー=出資者)と経営者(事業を行う人)は切り離されており、別の人がやることが出来ます。経営の専門家に事業を任せることが出来、それぞれの得意分野を生かして事業を行うことが出来ます。また、会社経営にかかせない資金。この資金調達をする場合、「株式会社」であれば「株」を発行して株主や投資家から資金を集めることが出来ます。多様な資金調達が出来ることは、「会社」の大きなメリットです。